20110921.魔具プロキオン考察2

<はじめに>

 以前、【魔具プロキオン】のコラムを上げてみたところ、多くの方が【魔具プロキオン】目当てで訪れて下さいました。
 本当にありがとうございます。

 と同時に、ちょっとあのコラムだとひどいかなぁ……と思ったので、環境も変わったことだし再考察しようと思った次第!
 一応、前回のを読んでくださった方を対象に書いてみようと思いますよ。


<環境の変化について>

 ……さて、【魔具プロキオン】について語る前に、環境の変化について触れておかねばなるまい。
 というのも、「陽昇ハジメデッキ バーストヒーローズ」が発売され、【バースト】が本格的に使われるようになるという大きな変革がもたらされてしまったので、これを無視するわけにはいかない。

 そもそも、まだ【バースト】について触れてないしね。


■バーストとは

 ◯セットされた状態で、条件を満たすとコストを払わずに効果が発揮される。

 この条件が大事。今のところ「ライフ減少後」と「スピリット/ブレイヴの召喚時効果発揮後」の2つ。
 カードが伏せてあったら今はこの2パターンを考慮したらいい。
 ノーコストで効果が発揮されるということは、条件さえ満たしてしまえば相手にコアがなくても関係ないということ。
 ヘタをしたらテンポ面でのアドバンテージを取ることが出来るかも知れないし、出来ないかも知れない。

 ◯配置できるバーストは1枚のみ。

 これはまあいいよね。
 あまり多くバーストを積み過ぎると事故の元にもなり得るということだ。

 ◯バースト効果は現時点では無効化されない。

 一番影響をあたえるのはこれかな、と。
 《ウィッグバインド》《鏡の回廊》《俊星流れるコロッセオ》で無効化できないというのは非常に大きい。
 焼き系バーストなら【装甲】でなんとかなるが……。


 そういうわけで、【バースト】が環境に与える影響は大きそう。
 今まででも、防御を無視した猛攻はハイリスクハイリターンなところがあって、駆け引きと運とが絡んでいたけれども、それにも増して読みや駆け引きが重要になってきそうだ。
 【バースト】を使う側は、セットしたバーストを何度もチラチラ確認するなんてもっての他。
 ブラフであっても(バースト効果持たないカードセットすると敗北なので注意)、自信を持って構えれば攻撃の手だって止められるかも知れない。

 そんなこんなで、【バースト】は盤面をコントロールするのに大きく影響してくると思うのだ……がそこのところどうだろう。
 僕はワリとチキンなので、セットカード1枚で行動を制限させられてしまいそうだ。


<【魔具プロキオン】のこれから>

 さて、【バースト】が環境に影響をあたえるのは当然として、【魔具プロキオン】の場合どうやって【バースト】と付き合っていけば良いのでしょうか。

 まず相手に【バースト】を回した時。


 《絶甲氷盾》
 マジック
 4(1)/白
 【バースト:自分のライフ減少後】
 ボイドからコア一個を自分のライフに置く。
 その後コストを支払うことで、このカードのフラッシュ効果を発揮する。

 フラッシュ:
 このバトルが終了したとき、アタックステップを終了する。


 一番厳しいのはこのカードだと思う。
 スタンダードな性能を持っているため、これから多くのデッキで目にする機会が増えると思うのだけれども、これは厳しい。

 というのも、【魔具プロキオン】はコンボデッキ。
 ワンターンの間に決着を付けるデッキである以上、《サイレントウォール》《デルタバリア》のような防御マジックは天敵だった。
 しかし、それも《ウィッグバインド》を使えば解決であり、【装甲:黄】を付与した状態での《ウィッグバインド》はほとんど避けようのない攻撃だった。
 ……がしかし、《絶甲氷盾》の場合、《ウィッグバインド》を無視なされる。
 【装甲】も無意味であり、ほぼそのターンでの攻撃はストップする。

 《絶甲氷盾》の欠点、「ライフ減少後」にしか【バースト効果】を発揮しないため、ダブルシンボル以上のダメージに弱いってのも、【魔具プロキオン】には関係ない話。
 【魔具プロキオン】では、いくら序盤で相手が手薄だからといって弱小スピリットで攻撃してはいけない。ただコアを増やして相手を優位に立たせるだけだから。

 「でもいいじゃん別に、どうせ凌げるのは1ターンだけでしょう。次のターンにまた連続攻撃しかければいいじゃん」

 というのも一理あり。
 ただ、コンボパーツがどいつもこいつも脆いため(特にネクサス)、次のターンまでもってくれるかも怪しい。
 コンボは新カード《イカヅチ・ヴルム》1枚で壊滅するのだ。

 まあ……逆に言えば、対策されなければ何度でも勝利コンボへと持っていけるってことなんだけどね。


 《爆裂十紋刃》
 マジック
 5(3)/赤
 【バースト:相手の『このスピリット/ブレイヴの召喚時』発揮後】
 BP6000以下の相手のスピリット1体と、相手の合体スピリットのブレイブ1つと、相手のネクサス1つを破壊する。
 その後コストを支払うことで、このカードのメイン効果を発揮する。

 メイン:
 自分のトラッシュにあるバースト効果を持つカード1枚を手札に戻す。


 ヤバそうなのがこちら。
 コンボパーツを片っ端から破壊していきやがってしまう。

 《星鳥クージャ》の最大BPは5000。
 《バタホルン》をコンボに使っていた場合容赦無くブレイヴだけ焼かれる。
 《血塗られた魔具》さんサヨウナラ。
 え、マジ、手札に戻すカードは
《爆裂十紋刃》? はははやだなぁ……。

 悪夢である。
 【赤コントロール】をどれだけ強化すれば気が済むのか。

 唯一の救いは、バーストの条件が
「スピリット/ブレイヴの召喚時効果を発揮した後」ということ。
 ようはそういった効果を持つカードを使わなければいいということである。

 《ゲッコ・グライダー》《重装合体シールド・ドラゴンMk-U》
《バタホルン》ご丁寧に優秀な召喚時効果を持ってやがりますけどね!

 「さあいよいよこのターン決着をつける! 《月華龍ストライクヴルム・プロキオン》にブレイヴ……っ!」という行動にリスクが生じてしまう。
 今までだったら何も考えずに防御耐性をつけられたのだが、これからはそうもいかなくなる。

 相手の手札やセットカードに対しての読みが、より一層必要となった。
 ああ、頭痛くなりそう。


 とはいえ、【バースト】の恩恵を得られるのは何も相手だけではない。
 もちろん自分も【バースト】を使えるので、そこはバンバン使っていこうじゃないか。

 どのカードも相性良さそうだけれども、時間稼ぎといった面ではやはり
《絶甲氷盾》。
 このデッキの弱点も《ウィッグバインド》なので、それに対抗できるのは素晴らしい。

 そして《海皇龍シーマ・クリーク》
 白軽減もしてくれる、守りも固められる、《天星馬ペガシーダ》に引っかからないという優れスピリット。
 《シユウ》が頭の上を飛び越えてきても、お子様の間で大ブレイク中の《幻羅星龍ガイ・アスラ》が猛攻撃を仕掛けてきても、ちゃんと守ってくれちゃう。
 素晴らしいね。

 あとは《双翼乱舞》かな。
 こちらは無理して入れるほどのものかわからないけれども。


<デッキ作成>

 そうして新たに作りなおしたのがこちら

 前回のデッキ構築では、《ダンデラビット》《機人ガラール》を入れていたのだが、どっちにしろ長期戦になるのと特に後者は終盤で引いた時の紙っぷりが半端無かったのでボツ。
 前者は入れておいても良いのだけれども、【バースト】を警戒して思い切って抜いてみた。
 デッキの潤滑油を、こうした後ろ向きな理由で抜いていいのかどうかは悩んだが……。

 しかし残念ながら、ブレイヴには代替案がなかったので以前のまま。
 《バタホルン》は、《血塗られた魔具》がなくても《ライフチャージ》《星鳥クージャ》があればコンボを成功させることができるので、コンボ達成率がぐんと上がる。
 それ以外にはあまり使いようがないブレイヴだけれども……。

 基本的なデッキの動きは全く変わらず。
 コンボパーツを揃えたら、無限アタックで1キルというシンプルなもの。
 しかし、【バースト】の登場で勘は働かせなければならなくなっている。

 【バースト】がセットしてある時に、《ゲッコ・グライダー》を召喚するべきか?
 手札に《トライアングルトラップ》はあるだろうか?
 もしかして《サジッタフレイム》を抱えているか?

 それはもはや勘。
 必ず勝てる状況というのがなくなった以上、柔軟に戦っていくしかない。


 これから先果たしてどのような【バースト】が出てくるかわからないし、それによってはデッキとしての形を成さなくなってしまうかも知れない。
 しかし、《月華龍ストライクヴルム・プロキオン》自体が強力なスピリットなので、なんだかんだで生き残り続けるしぶといデッキタイプだとは思う。

 今のところ、【バースト】がこのデッキに及ぼす影響は逆風ではないはず。
 環境が遅くなれば遅くなるほど、真価を発揮するデッキだとは思っているので。


<デッキをさらに改造するとしたら……>

 【魔具プロキオン】はあまり苦手とするデッキが存在しない。
 僕は上記の通りの構築をしたが、基本パーツは数種類で済むので、メタゲームによって柔軟にパーツを変えていくことは出来る。

 環境に【デッキ破壊】が多いのであれば、《未完成の古代戦艦:船尾》を入れるもよし。
 速攻デッキが多ければ、もっと速攻に対して効果的なスピリットを入れるもよし、なんでもいい。

 基本パーツが少なくて済むということは、他のデッキとのハイブリッドも可能。
 ロック気味にして、デッキ破壊を狙ってもいい。上手くいくかどうかは別として。


<終わりに>

 単純に【魔具プロキオン】を【バースト】環境に対応させてみようと思っただけだったのだけれども、調べれば調べるほど【バースト】がよく出来ていて面白かった。
 ゲーム速度を遅くさせたいと某ゲームデザイナー氏は語るけれども、確かに大雑把なゲームが少なくなって、より駆け引きが生まれそうだと思う。

 何度も書くけれども、【魔具プロキオン】は本当に自由度の高いデッキで、無限アタックを考えずに2〜3回殴ればいいや、と思えば、《血塗られた魔具》
《デッドリィバランス》だけで済んでしまうので、非常に柔軟にデッキを組める。
 
《月華龍ストライクヴルム・プロキオン》が攻めにも守りにも優秀なので、上手く使って、華麗にコンボを決めてあげたいところですね。

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