20110828.光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン考察

<はじめに>

 新カードが出るとなると、いつの時代もワクワクするもので、環境が変わるとか、新たなデッキが組めるとか、既存のデッキが強化されるとか、面白いコンボが作れるとか、とにかく色々と想いを馳せることが出来ると思うんだ。
 公式サイトはそれなりに更新してくれるし、そこで公開される新規カードなんてのは(多分)順番を選んで公開しているはずなので、消費者=プレイヤー側の意欲をかきたてるのに大いに貢献してくれる。

 たとえば、《超皇帝ジークペンタン・ノヴァ》が公開された後の《皇子ペンタン》なんてのは本当に興奮したよ。
 ペンタンデッキいける! とか本気で思っちゃったもん。

 本気で、思っちゃった……もん……。

 ……。


 さて、そんな中、誰もが度肝を抜かれたであろう《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》の登場である。
 僕としては、使い方があまりにも真っ直ぐすぎるのであまり好きな部類に入るカードではないのだけれども、どこからか、これを考察しようよ、という電波が舞い降りてきてしまったので仕方がない。

 見えすぎる地雷カードとして、どういった風に使えばいいのか、考察してみたいと思う。


<見せてもらおうか、性能とやらを>

 《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》
 スピリット
 12(赤1紫1緑1白1黄1青1)/赤/神星・竜騎
 <1>Lv1 12000 <5>Lv2 24000
 Lv1・Lv2『このスピリットの召喚時』
 自分のデッキを上から12枚オープンする。
 その中の系統:「神星」/「光導」を持つスピリットカードを好きなだけ、
 コストを支払わずに【転召】させずに召喚する。
 ただし、それらの『このスピリットの召喚時』効果は発揮されない。
 残ったカードは破棄する。
 【合体時】Lv2『自分のアタックステップ』
 系統:「光導」を持つ自分のスピリットすべてのLv1/Lv2/Lv3BPを12000として扱う。
 シンボル:赤


 地雷というかネタというか、ここまで来ると実に立派。
 どうやって使うんだろう、うーんうーん、と悩む必要もない。出せばOK。ただそれだけ。

 このスピリットはデカい。それは間違いない。
 まさかのBP12000。普通では倒せない。まあ、《北斗七星龍ジークアポロ・ドラゴン》《牙皇ケルベロード》をブレイヴして倒せちゃうけれども。でもデカい。
 次いで重い。重すぎる。
 コスト12。通常ならばゲームが終了しているコア数である。
 軽減もさせる気なしの6色軽減。

 そして召喚時効果。デッキ12枚から系統:神星か系統:光導を好きなだけ出しちゃう。
 ド派手で素敵。というか、このカードのキモ。発揮しちゃえば12宮Xレア(+α)を初めとしたスピリットを大量展開してオーバーキルを演出してくれちゃう(可能性があるよ)。

 そして合体時効果。
 これを使えば自分の系統:光導が超パワーアップ。より一層のオーバーキルを演出します。何がしたいんだこいつ!

 総じて、オーバーキル感満載、すなわちロマンの詰まった、そんな素敵なスピリット、とでも呼べるでしょう。
 やれやれ。


<まず召喚しよう>

 出れば強い、は裏を返せば多くの場合出せない。
 特にこのスピリットはコスト12。普通にやっていたのでは召喚なんて出来ないし、上述した通り軽減だってほとんどできない。
 では、どうしたらいいのだろう。
 デッキの軸から考えないといけなさそうだ。

 1、コスト踏み倒し

 一番考えられるのがこれ。幸いなことに名称:アポロだったり、系統:神星だったりと、コスト踏み倒しのサポートが充実している。
 わかりやすいサポートカードは《太陽極龍セブンス・アポロドラゴン》《フォボス・ドラグーン》
 前者は重いことには変わらないけれども、一番シンプルに召喚のサポートをしてくれる。後者は軽いのがウリ。少し難しい条件だが、単体でも優秀なスピリットなので使い勝手はいい。

 あとは、《魔帝龍騎ダーク・クリムゾン》というパターンも。
 シンプルだが、召喚時効果が発揮されないので《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》の美味しさが激減してしまうのが残念。

 変わり種は《魔導双神ジェミナイズ》
 極めて不安定だが、系統:光導ということもあり、無理なくデッキに入るのはいいこと。それでも不安定だが。


 2、コアブースト

 生半可ではダメだが、頑張れば、それはもう恐ろしいほど頑張れば達成不可能ではないレベル。
 定番の《ダンデラビット》《メイパロット》で足りるかといえばそうでもなさそうなので、《要塞蟲ラルバ》《ヤンオーガ》《ゴクラクチョー》なども動員か?
 それでも足りなさそうなので、《漆黒鳥ヤタグロス》《ライフチャージ》するような、極めて大雑把なコアブーストが求められそう。


 3、ロック

 《血塗られた魔具》《巨人港》のようなネクサスを使ったロックがなかなか優秀なので、それを使って遅延させるというのも一つの手。
 コアブーストと組み合わせて使っていけば、コア12個も見えてく……るかなぁ?

 ネクサスを使うことで《調教師ライノ兄弟》によるコアブーストが行えるというのは強み。


<効果によって召喚できるスピリットたち>

 次に《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》の召喚時効果によって召喚できるスピリットについて考察。
 何が出ても強いことには変わりないけれども、まあ、より相性が良さそうなものを選びたいじゃないか。


■光導

 ・《白羊樹神セフィロ・アリエス》 ◯(ルールを誤解していたら☓)
 《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》でこれをめくっちゃった場合、他のスピリットたちも全部疲労状態で召喚されちゃうのかしら?
 その辺のルールをわかっていないのでなんとも言えないけれども、仮に疲労しない場合、《巨蟹武神キャンサード》と組み合わせたらそれこそまさに人が死ぬレベルに。
 別に遊精デッキじゃなくてもこいつはヤバイ。時間稼ぎどころか簡単に人を殺せる。恐ろしや……。

 ・《金牛龍神ドラゴニック・タウラス》 ◯
 ちょっと地味な子。絵がすごく格好いいから一度使ってあげたいのだけれども。
 たくさん光導スピリットが並べばレベル3効果でワンショットキルが狙える可能性もあって、相性はいいかも知れない。
 そうでなくても、【激突】は攻撃は最大の防御という言葉を如実に表してくれる素敵な能力。気がついたら殴り勝っているかも。

 ・《魔導双神ジェミナイズ》 △
 重いデッキになりそうなので、それをサポートしてくれる素敵な存在。
 《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》で出すというよりも、《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》が出る前に活躍してくれそう。
 それでも重いことには変りないだろうけれども。

 ・《巨蟹武神キャンサード》 ◎
 ブロックされないのはいいことだ。マジで。
 「《天星馬ペガシーダ》《犬将クー・シー》でブロックします!」→「じゃあ、クーシー殺します」と、嫌な相手はスルーしちゃうお侍さん。すごいよ格好いいよ。
 癖がなさすぎて真っ直ぐすぎて好感が持てますなグフェフェ。

 ・《獅機龍神ストライクヴルム・レオ》 ◎
 トップデッキのこいつに殺されたという被害者続出。
 無限BPコンボとか言われているけれども、そんなものがなくても充分におかしい性能。
 系統:光導が並んじゃわなくても人が死ぬけど、並んじゃったらもう止まらない。止め方がわからない!

 ・《戦神乙女ヴィエルジェ》 △
 天霊がいなくても単体で強力な攻撃抑制とライフ回復、そして手札に戻る効果によってしっかりと守りを固めてくれる好スピリット。
 攻めには向いていないけれども、サポートとしては充分すぎる。

 ・《天秤造神リブラ・ゴレム》 ◯
 いくら優秀なスピリットを召喚しても《デルタバリア》の前では終了。
 でもこれなら新たな勝ち筋を提供できる。普通に運用してもデッキによっては即死させる可能性も……。

 ・《天蠍神騎スコル・スピア》 ◎
 軽くて使い勝手のいい子。
 光導スピリットすべてに高性能な除去能力が備わってしまうので、攻める段階で超強力。

 ・《光龍騎神サジット・アポロドラゴン》 ◯
 ダブルブレイヴは魅力的だが、《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》と相性がいいかどうかは不明。
 それでも全ての系統:光導に指定アタックを与えてしまう能力は圧巻。

 ・《魔羯邪神シュタイン・ボルグ》 △
 数が揃っちゃえば、次々にコアを外せそうだけれども、そこまでするか? という気もする。
 デッキが紫寄りだった場合、たくさんサポートしてくれそうなんだけど。

 ・《宝瓶神機アクア・エリシオン》 △
 《血塗られた魔具》を乗り越えて殴れるようになるという点で好感が持てますな。
 ただ、このデッキではそれだけなんだよね。どうなんでしょう。

 ・《双魚賊神ピスケガレオン》 ☓
 残念ながら噛み合いそうにない。

 ・《蛇皇神帝アスクレピオーズ》 ◯
 デッキから複数のスピリットを召喚する性質上、個々のスピリットにコアを割けないという欠点があるわけで、そうすると自然とレベルが低くなってしまいそう。
 そんな光導スピリット達がBP負けしても回復状態で戻ってくるというのは結構魅力的……かも?


■神星

 ・《火星神龍アレス・ドラグーン》 ◯
 合体時効果が使えることになるかどうかはわからない。だが、《金牛龍神ドラゴニック・タウラス》と一緒に並んだらもしかするともしかするかも。
 《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》を使ったらそのターンで決着をつけたいので、《サイレントウォール》を無視出来るという点で候補に入るかも。
 色も整えやすそうだし。

 ・《幻羅星龍ガイ・アスラ》 △
 ド派手すぎるコンボは決まりそうだ。そこまでするかって気はするけれど。

 ・《冥王神獣インフェルド・ハデス》 △
 相手にブレイヴが立っていた? じゃあこれで邪魔しよう。

 ・《天王神獣スレイ・ウラノス》 ◯
 邪魔なブロッカーを吹っ飛ばして連続攻撃を可能にしたり。
 オーバーキル感が漂うのはもはやお約束。

 ・《海王神獣トライ・ポセイドス》 ◯
 重いスピリットが場にズラリと並んでも、コアが足りなくて力を発揮できない!
 そんなときでもこの子がいれば大丈夫。みんなフルパワーで力を発揮! オーバーキル? いうでない。


<デッキ構築にあたって>

 当然のことながら、《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》が召喚されて効果が発揮されたらそのままそのターンのうちに決着を付けたい。
 そうなると、もちろん攻撃的なスピリットが求められるわけで、12宮だったりすると《巨蟹武神キャンサード》《獅機龍神ストライクヴルム・レオ》が相性良さそう。
 両者ともそのまま普通に場に出ても場を制圧させる力があるので、積極的に採用したいところ。

 あとは、新たな勝ち筋用意という点で《天秤造神リブラ・ゴレム》なんかは入っていても良いと思うし、《海王神獣トライ・ポセイドス》いればコアが足りなくても全力を発揮できそう。

 本当は全部入れたいのだけれども(ロマン的に)、そこはそこ。
 ちょっと割り切りたいものです……。


 そして、《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》召喚まで繋ぐ手段だけれども、折角なので素出しを全面に押し出してコアブースト。
 別に、《太陽極龍セブンス・アポロドラゴン》《フォボス・ドラグーン》を使わないでデッキを作れ、なんていう電波を受け取ったわけではない。
 断じて無い。


 そして出来たデッキがこちら

 ……さんざんここまで色々と御託を並べておいてこれかよっ! ってぐらいに捻りなし。
 いや、マジ、ごめん、これは明らかにつまらないよね。うん。
 回してみたけど(代理カードまで作って!)回るはずがなかったんだよ。

 もう一つ、一応こちらはまともなのかしら、コスト踏み倒しで作ってみたバージョンも。
 こちらは一応回る。勢い良く回る。事故要因は手札にある《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》なんだけどね。

 防御マジックを入れている余裕がどこにもなくて困っております。
 《トレス・ベルーガ》はもしかしたらいらない子。


<おわりに>

 ……とまあ、休日を使って下手な脳みそを動かしてみたけれども、ロマンが溢れているカードであることには違いない。
 なんにせよ、巨大スピリットがどっかんどっかんと出てくるさまはなかなか楽しいものがあるので、カジュアルではきっと面白い。
 デッキトップをめくっている時のドキドキ感は、《天星馬ペガシーダ》なんてのとは比べものにならない。

 残念ながら《光導龍騎ゾディアックアポロクリムゾン》が出なくても勝てちゃうのだけれども、それはそれ。
 いいじゃないか、デッキの中に少しぐらいロマンが詰まっていたってさ。

 この先、もっとカードプールが広がったときにどうなるか。
 それが実に楽しみなデッキタイプですな。

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